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第20章 独白

「そろそろ、落ち着いた？引越しとか、具体的な事は後々考えよう。今は一人暮らし？」

「いえ。友達の家に居候してるので、大した荷物もないし、引越すほどでもありません」

「居候？実家ももうないの？…事情とか、聞いてもいい？話せる範囲でいいから。俺も隠すことは何もないから聞きたいことは何でも聞いてくれていいから」

清美ちゃんは、深い溜息をついてコクリと頷いた。

「父は、私が小学校に上がる前に、病気で亡くなりました。若かったですが、癌だったそうです。私には、優しかった父の記憶しかありません。入院してからは、あまり病院には連れて行ってもらえませんでしたから….」

「そっか…」

親になった今、そのお父さんの気持ちは分からなくもない。幼い我が子に、弱っていく姿は見せたくなかったんだろうな…