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パズル
第21章 欠けたパズル
「君の話だけ聞いて俺は何も言わないってのも不公平かな?興味がないならやめとくけど、俺も何か話した方がいい?」

「昌幸さんと、どんなお友達だったんですか…?」

「大学の時、ゼミが同じで。結構遊んでるグループの、俺はただノリで加わってる感じのメンバーで。アイツは、おとなしいから、リーダー格のヤツからは、パシリ扱いされてて。俺は、アイツと最初からすごく仲よかったってわけじゃないんだ。どっちかっていうと、リーダー格のヤツにテキトーに合わせてるとラクだったし、そこそこ楽しめた。要領カマシて面倒くさいことはしたくない、そんなチャラい大学生だった。深谷は不器用で、リーダー格のヤツらにただくっついて、いいように使われて、正直、コイツ何が楽しくてこのグループに居んのかなってイラつくこともあった。でも俺は、アイツを助けたりはしなかった。アイツを助けるってことは、自分も一緒にパシられるってことで、そんなビンボーくじはゴメンだって思って、俯瞰してた。ただ、その年の冬、高校生の弟が事故で亡くなって…そこから、何かが狂い出した。母がショックで寝込んで、両親の喧嘩も増えて、家の中がいつも殺伐としてた。結局両親は離婚して、父が家を出て行って。母は鬱で精神科に通って…何が原因なんだろうって、ふと思って、戸籍謄本を取り寄せたら、自分が養子だった事が判った。」
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