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第27章 オマケの 片想い

同期の幸村が再婚した。

幸村は、学生結婚で、新入社員として22で入社した時点で妻子持ちというナカナカのツワモノで。

同期の中でダレが可愛いだの、あのコはドコソコのダレソレと付き合ってるだの、別れただの。
そんな社内恋愛の悲喜こもごもを俯瞰する立場にあったから、俺も随分相談に乗ってもらったっけ。
幸村は、苦笑いしながら、

「みんな結婚してるってだけで、俺のこと恋愛のスペシャリストかなんかみたいに言うけどさ、違うからね？俺寧ろ恋愛経験少ないから！」

といっていたが、それでも、恋愛のれの字のあたりで右往左往する22の小僧には、結婚してるってことはそりゃもうすごいことに思えたのだ。

でも、楽しかったのは1年ほどで。
入社2年目の夏。
幸村は交通事故で大怪我を負い、奥さんを亡くした。
復帰した時も、まだギプスに松葉杖をついた、痛々しい姿で。
何より、人間って、数ヶ月でこんなに変わるもんだろうか⁉︎ってくらい、憔悴しきってて。
一気に30くらい年取ったように見えて、俺たちは迂闊に話題も振れず。なんだか、同期の関係が、徐々にギクシャクしていった。