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パズル
第1章 はじまり
1週間前に、最終面接を受けた会社からだった。

街中の雑音で、音が聞こえないと困る。咄嗟に辺りを見渡すと、電話ボックスが目に入った。
慌ててボックスに入る。

電話ボックスの中は空気が籠って蒸し暑い。
首筋に汗が流れる。

どう切り出されたのか、あまり記憶がない。

ただ、

「是非、弊社でご一緒に、」

「来春から、どうぞよろしくお願いします。」

「先駆けて研修のご案内などご自宅に送付させていただきますので、」

途切れ途切れに聞こえる、採用担当者の言葉。
通話を終えると、俺は脱力して、ボックスの中で座り込んだ。

努力が報われた。

本当に、そんな気がした。

ぃやったあぁぁぁぁ‼︎

叫び出したい気分を堪え、瞳にLineのメッセージを送る。

『仕事決まった✌︎ 今日会える⁉︎』

「OK.」スタンプに続いて、
『私も話あるし』

「PM6:00.いつものスタバで。」

「OK」スタンプ
採用担当者のコトバを頭の中でリフレインさせ、噛みしめる。


やっと、難関を一つ突破した。
あとは卒論、だけだな!
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