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パズル
第1章 はじまり
夕方、スタバで待ち合わせ。

「何にする?いつものラテでいい?」

席に瞳を座らせ、鞄から財布を抜いて席を立った俺に、

「私、この柚子のフラペチーノがいい。ショートで。」

と言った。

「了解」

しばらくして、ラテとフラペチーノを持って席に戻る。
瞳にフラペチーノを渡して椅子に腰掛け、ラテをストローで吸う。暑さに火照った身体に、冷たいラテが染み渡る。

「で、話って、何?」

就職成就について、喜びを分かち合いたい気持ちを抑えながら、まずは彼女の話を聞こうと思った。

「うん、ちょっとね…」

歯切れが悪い。
カップに刺したストローで、ただグルグルと中身をかき混ぜている。
いつもの彼女らしくなかった。

「どしたんだよ?溶けるよ?」

フラペチーノを一口飲んで、瞳が意を決したように顔を上げた。

「・・・順一、あのね。別れよ?」

「はっ?」

俺はぱちぱちと瞬きした。

「・・・なんで?」
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