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パズル
第11章 家族
8月。
盆休みを利用して、瞳と晃一が引っ越してきて。
双方の家の墓参りも行った。
博之と母さんが眠る、幸村家の墓に行ったら、誰かが参った跡があった。花も新しいし、まだ長い線香が燻っていて。父さんが、来たのかな、と思ったら、声を掛けられる。
「…父さん…」
「久しぶりだな。元気にしてたか?」
「…うん。なんとかやってるよ。ちゃんと就職したし、結婚もしたんだ。この人が、奥さん。で、息子の晃一。」
父さんは驚いたように目を見開き、瞳に頭を下げた。
「この期間なら、ここで会えそうな気がしてな。何度か足を運んでみたんだが、去年は、会えなくて…ずっと気になっていた。本当は、父さんが家を出るときに、渡してやればよかったんだが、母さんに見つかったらややこしいかと思ってしまってな…渡せず仕舞いだったんだ」
父さんが封筒を差し出す。
「?」
受け取り、中を見ると、通帳と印鑑が入っていた。
盆休みを利用して、瞳と晃一が引っ越してきて。
双方の家の墓参りも行った。
博之と母さんが眠る、幸村家の墓に行ったら、誰かが参った跡があった。花も新しいし、まだ長い線香が燻っていて。父さんが、来たのかな、と思ったら、声を掛けられる。
「…父さん…」
「久しぶりだな。元気にしてたか?」
「…うん。なんとかやってるよ。ちゃんと就職したし、結婚もしたんだ。この人が、奥さん。で、息子の晃一。」
父さんは驚いたように目を見開き、瞳に頭を下げた。
「この期間なら、ここで会えそうな気がしてな。何度か足を運んでみたんだが、去年は、会えなくて…ずっと気になっていた。本当は、父さんが家を出るときに、渡してやればよかったんだが、母さんに見つかったらややこしいかと思ってしまってな…渡せず仕舞いだったんだ」
父さんが封筒を差し出す。
「?」
受け取り、中を見ると、通帳と印鑑が入っていた。