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パズル
第12章 忘れ得ぬ記念日
目が覚めると、救急隊員が、何か叫びながら車の窓を叩いていた。

そうだ、事故ったんだっけ…

瞳…と横を見ようとするのに、首が動かない。
視界に入るのはヒビ割れて真っ白になったフロントガラス。

右手の先だけが辛うじて動いた。
手探りで窓のスイッチを押すと、運転席のウィンドウが、鈍い音を立てて途切れ途切れに下がり、でも、全部下がりきる前に止まって、それ以上動かなくなった。

「意識があるんですね!うごけますか⁉︎」

救急隊員の声に首を振ろうとしても動けなかった。

「今ドアを開けますので!」

普通には開かないのか…救急隊員が道具を取りに一旦離れた時…不自然に内側を向いたサイドミラーに、無惨に潰れた助手席が映った…

嘘だ…瞳…

嘘だ⁉︎

嘘だ!

嘘だ‼︎

嘘だ……


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