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金木犀
第1章 五里霧中
この世の中は腐っている。
人間なんて糞ばかりだ。
ああ、イライラする。
イライラして、イライラして、イライラして、イライラして、イライラして、イライラして、イライラして、イライラして、イライラして、イライラして、イライラして、イライラして、イライラして、イライラして、イライラして、イライラして、イライラしてイライラしてイライラしてイライラしてイライラしてイライラしてイライラしてイライラしてイライラしてイライラしてイライラしてイライラしてイライラしてイライラして──イライラしする。
何をこんなに起こっているのかと聞かれると、特に何もない。
対象なんてない。
強いて言うならすべてだ。
この世の中すべてがイライラする。
頭の中にイライラを溜め込みすぎて、ノートの端くれとかにイライラする、という文字を書きまくったら、あれ、イライラするってこんな文字だったっけ?とかいう疑問がわいてきて、なんだかもっと違う文字だったような、でも、こんな簡単な文章を間違える分けないと思う、この感情に対しても──イライラする。
ちなみに、この現象のことを文字のゲシュタルト崩壊というらしい。
何でも、同じ文字を長時間注視しているとその字の各部分がバラバラに見えて、その文字が何という文字であったかわからなくなる現象であるらしい。
原因は分かっておらず、未解決な部分も多いらしい。
というか、どうして俺が、わざわざこんなどうでもいい雑学を披露しなけらばならないのだ。
面倒くさい。
実に面倒くさい。
このイライラを解決するには、誰かを殺ししかないと思うのだが、しかしながら、人を殺すことは楽しそうであるが、その分リスクが高い。
もしも、人を虫みたいに殺してもいい環境があったとするのなら、羨ましい限りである。
とはいっても、俺だって、このイライラを解消するためだけに人を殺そうとは思わない。
俺は無差別主義者じゃあない。
差別しまくりだ。
差別しすぎて頭がおかしくなるくらい、息を吸うように差別をする。
自慢じゃないが──
殺す相手はちゃんと選ぶ。