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金木犀
第3章 悪因悪果
彼女は目をぱちくりさせながら、めくれている長いスカートを押さえた。
彼女のスカートは普通の女子よりも長めなので、捲れ上がったスカートの裾がちょうど下着の部分にきていたため、思っていたよりも綺麗な太腿しか見ることは出来なかった。
御影に負けないくらい綺麗な脚だった。
「え?ええっ?今、いまいまいまいま……見えた?」
「いいや──い……っ!」
正直に答えたつもりだったが、彼女は弁当箱の底で、ばこんと音がするくらい強く、俺の頭を殴った。
当たり前といえば、当たり前の反応だったのだが、なかなかに痛かった。
「…………っ!!」
彼女はさっきまでの態度とは打って変わって、顔を真っ赤にして、目に涙を溜めながら、こちらを睨んでいた。
弁当を持つ手が震えている。よっぽど頭にきたのだろう。
「お、女の子のスカートを、いいいいいきなりめくるなんて……っ」
「いや、あまりにも辛気くさい顔をしていたからな」
「な、何をさも当たり前みたいに──って、サンドウィッチ食べないで……っ!」
「うまい」
「うう……嬉しいけど、食べないでっ!」
「何で?俺にくれたんじゃねえのかよ?」
彼女は百面相のように顔色をコロコロと変え、驚いていた。
面白い奴だ。
「…………」