この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
金木犀
第1章 五里霧中

とは言っても、普段は学生として、高校生として、学校に通っているのだが、しかもなんやかんや言ってまじめに通っているのだが、先生や生徒に殺意を抱く事はあっても、お金の関係上、学校には通わなくてはいけないので、渋々ながら通っているのだから、殺人なんて犯してしまえば、学校に払っている金が浮いてしまうのは正直嫌だ。ものすごく嫌だ。俺は金が好きだし、金のためなら何でもする。

ああ、いい事を思いついた。
将来は殺し屋かなんかになればいいんだ。
うん、我ながら、非常にいい考えだと思う。

だがしかし、よくよく考えてみると、殺し屋になってしまったら、俺が殺したくない人まで、殺さなくてはいけなくなるのではないだろうか。
それは悲しい。悲しすぎる。
俺は俺が殺したい相手だけを殺したいし、それ以外の連中はどうだっていいのだ。

何が悲しくて、罪なき人を殺さなければならないのだ。
そもそもの問題として俺の美学に反する。

つまりこれは却下だ。

じゃあ、この進路希望の欄に一体なんと書けばいいのだ。
大学進学ではあまりにも芸がなさすぎる。
それに、大学に進学するには金が必要だ。
特に学びたい事もないのに、金を払ってまで進学する必要性があるのだろうか。

いや、よく考えてみろ。
大学卒業資格というものは、このデフレの社会において必要不可欠ではないのだろうか。
大学を卒業していなければ、定職に就けるかどうかなど、一割もないのではないか。
まあ、あくまで俺の憶測なのだが。

とはいっても、やはり、仕事には就きたい。
なんて言ったって世の中は金で回っているのだから、その金がないと生きてはいけないし、金がなくなってひもじい思いをしていると、殺したい相手が殺せなくなってしまう。
それは駄目だ。
それだけはいけない。

ならば、この進学か就職かの欄には進学と書く事にしよう。
そうだなあ、学部──未定でいいだろう。
そもそも、殺人学科なんてないだろうしな。

そこまで書き終えたところで、チャイムがちょうど鳴ったので、俺は足早に教室を後にした。


/32ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ