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影に抱かれて
第12章 光に灼かれて
夫人やドゥルーのしたことを気取られてはいけないとリュヌは思ったが、ジュールに嘘をつくことは躊躇われた。
そして何より心地よい眠気がリュヌを誘い、頭が重くなっていくのを感じる。
「ごめん……僕は……」
「安心してリュヌ、怒ったりしていない。僕は君さえ戻って来てくれればそれで幸せなんだ。ああ、そうか……母上だろう? そんなことを考えるのは……女っていうのは全く困るよね」
ジュールが微笑みながら、冗談めかして話すのを見て、リュヌは安堵し、目を閉じ小さく頷いていた。
「お眠り……リュヌ。愛してるよ……」
瞼の上に優しく唇が落とされるのを感じながら、リュヌは再び幸せな眠りにつく。
ジュールの匂いに包まれる、溶けてなくなってしまいそうなほどの甘い眠りは、リュヌにとってこれ以上ない幸せだった。