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影に抱かれて
第12章 光に灼かれて
翌朝目覚めると、自分がジュールの胸の中で眠っていることにリュヌは気がついた。
目が覚めるとそこにジュールがいる。
それは以前一緒に屋敷にいた時でさえ、叶うことは無かった最高に幸せな朝だった。
「あ……僕……?」
「疲れていたんだね。あのまま眠ってしまったんだよ。でもリュヌ……とても幸せそうだった」
あのまま……
昨夜の激しい行為を思い出して顔を真っ赤に染めるリュヌだったが、寝不足が続き、そして疲れが残っているせいで、再びまどろんでしまう。
そんなリュヌの耳元で、ジュールは囁くように訊ねていた。
「可愛いリュヌ……またこうして会えるなんて夢の様だよ。ところで、たくさん手紙を書いたのに……なぜ君は返事をくれなかったんだい?」
「僕も、手紙を書いていたんだけど……」
「お互いに書いていたのに届かない……はっは! それはどういうことだろう? リュヌは理由を知っているの?」