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影に抱かれて
第13章 再生

「まあ……あれはどなたなの?」
「私、聞いたことがあってよ。ジュール様のお側に最近とても美しい少年がいるって」

正装をしてそこに立つリュヌは確かに美しかった。

少女なのか少年なのか分からないほどの、中性的な……危うさと幼さが残る雰囲気が、男性も女性も魅了する。

使用人の自分などが注目を浴びてしまったことに戸惑うリュヌを、今日の主催者である夫人は苦々しい思いで睨んでいた。豪奢な緋色のドレスを纏った夫人に皆、挨拶はするものの、その視線はすぐにリュヌに向いてしまう。

ジュールの商談の席などにも同行し始めたリュヌの評判は夫人の耳にも入っていて、それが最近の夫人を苛立たせていた。

何人もの貴婦人たちに取り囲まれそうになるリュヌだったが、何とか逃げ出して、これから運ばれる料理が並んだ控えの間に滑り込む。

すると……

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