この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
影に抱かれて
第14章 滅びる運命

「滅びる運命にある者は、その前に高慢になる。そして、高慢は没落の前に来る……」

「何? 何を言っているの? 」

窓から身を乗り出す夫人の目に、木立の中に佇む人影が見えた気がした。

いや、それは夫人の嫉妬心が見せた幻なのか……

「聖書の言葉ですよ。知らなくても無理はない……貴女の心にも神はいませんからね。僕と同じように。父上は……父上はどうだったのかな。懺悔ならしていましたよ」

とりとめもなく変わるジュールの話に、夫人は言い知れぬ不安を覚える。

もっと話を聞こうと振り向くと……目の前にあったのは愛する息子の手の平だった。

「父上は侮辱したんだ……僕らの関係を。僕がリュヌに対して感じる愛は、血の繋がりが見せる幻想だって……自分の昔の罪を告白してね。それを聞く僕の気持ちなんて何も考えていなかった。そしてさらにリュヌがもう死んでしまったなんて……そんな愚かな嘘を。それを信じた僕はああするしかなかったんだ……こんな風にね」

打ち付ける雨、そして稲光に浮かび上がる塔……

そしてその塔の窓から、夫人の身体が宙に……舞った。

/183ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ