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影に抱かれて
第17章 影に抱かれて
夜、リュヌの足は自然とジュールの部屋に向かっていた。しかし扉の前に立ったところでふと我に返る。
ジュールのもとへは行かないようにとジャンから言われていたのに。それに、この状態でジュールと何を話すというのだろう?
ジャンに言われたことを相談することだけは出来ないと思った。
だけど今、ジュールと顔を合わせてしまったら……隠し通すことはできるだろうか?
いや、愛しているのなら尚更、罪を償う手助けをするべきなのではないだろうか……神もそれを望むのでは?
しかしもし、死罪にでもなったら……
立ったまま考えを巡らすリュヌだったが、堂々めぐりでやはり答えは出なかった。
するとその時……ドアが内側から突然開かれた。