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影に抱かれて
第17章 影に抱かれて
「リュヌ、いつまでそんなところに立っているのさ」
「し、知ってたの……?」
いつまでとは……ジュールはいつからここにいることに気付いていたのだろう?
「……僕は何だって知っているよ。屋敷の中で僕の名前が出たら……全部聞こえてる」
「えっ……」
ドキリとした。
それは、ジャンと交わした会話のことを言っているのだろうか……
しかしジュールは小さく微笑むと、リュヌの肩をそっと抱いた。
「そんなの嘘に決まってるだろう? どうしたんだい、兎みたいにおびえてしまって……ほら、おいで……」
足が自然と動き、流れるようにベッドの端へと座る。
そしてジュールからの優しい口付けを受け止めていた。
何度も……何度も。