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影に抱かれて
第17章 影に抱かれて
しかし、話してしまったらジャンはどうなるのだろう……
寄宿学校へ行くことになった時、心づけの包みをそっと握らせてくれたあの温かい手……そして戻った時に、涙ながらに迎えてくれたあの優しい眼差しを思い出す。
やはり、言えない……
すると、ジュールが身を起こし、リュヌのズボンに手を掛けた。
「ま、待って……明日は、だって……葬儀だし……駄目だよ、ジュール……」
葬儀を明日に控え、このようなことは想像もしなかったリュヌだが、ジュールはそうではなかった。
抗っても、強い力でリュヌを生まれたままの姿にしてしまう。
いつだってそうだ……ジュールは強引で……でも、そんな彼に惹かれて仕方がないのだ。
「嫌だ……だってリュヌの目は別の場所を見ているだろう? 僕だけを見るように……おまじないをしないとね」