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影に抱かれて
第4章 雲に隠れて

「何って……おまじないに決まっているだろう? ほら、こんなにして……」

目の前に曝け出されたリュヌの肉茎の先端に指を絡めると、透明の雫が糸を引く。

「でも、誰かが来ちゃうよ……ほら、奥様が……」

「大丈夫。あの調子なら父上相手にしばらく小言が止まらないだろうからね。ああ、もうあの人にはうんざりだよ」

指先で愛撫しながらも、心底軽蔑するように話すその口ぶりは……とても母親に対してのものだとは思えない。

リュヌはそのことにも、前から少し違和感を感じていた。

全てにおいて自分より恵まれているジュール。なのに、なぜこんなにもいつも苛立つように生きているのだろう。

なぜ自分にこんなことをするのだろう?

そしてこれは、本当に誰の目に触れても咎められない類いの行為なのだろうか……?

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