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影に抱かれて
第4章 雲に隠れて

「え……ジュール? 」

戸惑うリュヌを他所に、素早い動きでボタンが外される。

その行為はほぼ毎日とも言えるほどジュールが密かにしていることであったが、舞台はいつもあの塔の祭壇の前だった。

しかし今は屋敷の……しかも廊下という、密やかさとは程遠い場所で行われていた。カーテンに隠れているとはいえ、いつ誰が通り掛かってもおかしくない場所だった。

しかし、心は戸惑っているのに……その身体に馴染んだ動作にリュヌの性器はすぐに反応してしまう。

この行為が尊く、人の道として正しく神聖なものであるというジュールの話を信じているのはリュヌの心だけで、リュヌの肉体はとっくにその秘められた妖しさに目覚めているのだった。

「な、何をするの、ジュール……こんなところで……」

しかし今、リュヌの心にも疑念の気持ちが初めて湧いてきていた。ほんの僅かだが……確実に。

神聖なことだというのに、自分を支配するこの欲望はなんなのだろう? 誰かに見られてはいけないと本能で感じるこの感覚は……

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