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影に抱かれて
第8章 心のままに

いくらなんでもそんなことを考えるなんて……リュヌにはとても信じられなかった。自分は誰かに死んで欲しいなどと考えたことも無い。

しかし夫人のやり方に衝撃を受ける一方、そんなことをさせてしまったのは自分の責任なのだと……ジュールとのあの行為の罪深さを改めて実感する。

自分は死んで当然のことをしてしまったのだ……

「もちろん僕は断ったよ! いくらなんでも酷過ぎる……。そうしたら、今度はあのパーティーを利用して君を堕落させ、学園から追放されるように仕向けろと言ったんだ」

あのパーティーって……
少女たちの、あの……

「……あれも仕組まれたことだったの?」

衝撃を受ける反面、だとしたら夫人に申し訳ないという気持ちも湧き起こる。

あの件があったから、自分はジュールへの気持ちを再認識することができたのだ。それは皮肉な結果だった。

「パーティー自体はもともと行われていたんだ。それを夫人に教えたのは……僕だ。毒薬を使うぐらいなら、追放の方がいいと思ったんだ。それで夫人の気が済むなら……。君にもう危害を加えないだろうって思った」

あの時、何度も何度も謝っていたドゥルーの様子が蘇る。裏にこんな事情があったとは……

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