この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
影に抱かれて
第8章 心のままに

「これを……。実はジュール様からの手紙だけは捨てずに取ってあるんだ。いつかリュヌに渡せる日が来るかもしれないって……。でも、伯爵の死後に届いたのは一通だけだ。これ……ごめん。急に手紙が来なくなってしまったから、気になって中を見てしまったのだけど」

束の一番上の手紙だけは封が開けられていた。手紙を読まれたことは気になったが、捨てずにおいてくれたことをリュヌは感謝した。

「ありがとう、ドゥルー……読ませてもらうよ」

震える手で手紙は開かれた。

白い便箋を開くと、リュヌの目に飛び込んで来たのはジュールの懐かしい筆跡……

いやしかし、リュヌの記憶にあるジュールの書く文字はもっと自信に満ち溢れていた筈だが、この手紙の文字はところどころ乱れ、今にも消え入りそうなところすらあった。

『ああ、リュヌ。君が死んでしまうなんてとても信じられない。信じたくない……。僕たちの中を引き裂く汚い大人たちの嘘だと……そう言ってくれ! そうでないと僕は気が狂ってしまう……だって今もまだ君をこんなに愛しているのに! 僕たちを侮辱する人間はもういないよ。なのになぜ君は去ってしまったんだ。ああ、会いたくてたまらない……何度も言う。僕は気が狂いそうだ……』

/183ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ