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獣欲の檻
第8章 リナのそれから
「そこで何をしている。」



リナの背後から十条が来て、声をかけたのだ。

ハッと我に帰り、泣き顔を見せまいと手で拭ってから振り返った。



「ただいま戻りました。…ルルミに会いに来たのですが。」


「あぁ、今日知り合いが来て連れて行ったんだ。別れをさせてやらなくて悪かったが、相手も忙しい人だから急に決めてしまって悪かったねぇ。」


「…いいえ。」



十条の言葉に、リナは俯いた。

知り合いなら…いつか会える。

そう、微かな望みをつないだ気でいたのだ。確かに、十条の知り合いではあるが、結局のところ売り手と買い手。商売上の関係でしか無い。結果、ルルミも売ったに過ぎない。
従順を売りに、高値をつけて売ったのだ。

ルルミは虐待を受けていた為、知能・体格共に発育が遅れているし、まだ6才。
何でも素直に受け入れる事しかできない子供なのだ。


躾は簡単である。
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