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獣欲の檻
第8章 リナのそれから
好きな人の前で、いきなり結婚だなんて言われて、泣きそうになるは、必死に十条を掴んでいたが、十条は笑ってその手を離した。



「リナ。学校の事は基一君も承知しているし、彼がいれば守ってもらえるよ。それとも…このままがいいのか?そんなお前でもいいと言って守ってくれる者が現れると思のか?よく考えろ。」



そう言われ、もう一度十条にしがみつく事が出来なかった。

リナは、恋しい人の背中を見つめ、1人置いていかれたのだ。


誰にも守られずに、あの高校に通い続ける事は出来ないし、好きな人がこんな自分を受け入れてくれるとは思えなかった。

彼は…仕事だから、自分を迎えに来ただけ。


それは痛いほど思い知らされる彼の行動。
知ってて連れて来たと感じるし、学校で起こった事も予想内の事だったんだろう。


『頼れて力になってくれる相手は、俺じゃない』


その言葉が耳元で何度もリピートされ、泣くものかと息を大きく吸った。
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