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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
今日は金曜日だから、明らかに街は浮足立っていて。
夏の爽やかな夜風が、余計に皆のテンションを上げている気がする。
……帰ろう。
何も考えずに帰ろう。
時間はあるけどお金が無いから、真っ直ぐ家路に向かう以外に選択肢が無い。
溜息をついて、右足を踏み出した……
……その時
「泥酔女」
突然、すぐ近くから放たれた男の声。
「何してんだお前、ここで」
「………!!」
「なぜここにいる」
で、
で、
で、た……!!
「………っ」
ドクンと大きく波打った心臓から、痙攣のような痺れが体中に広がる。
声の主が立つ、右側に恐る恐る顔を向けると
「……なんだその顔」
1週間前から心と体を乱している元凶が
眉間に皺を寄せて、私をじっと見下ろしていた。
……ひゅ、陽向……っ