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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
「吸っていい?」
「……え!?」
「煙草」
そう聞かれて初めて、すぐ傍に喫煙スペースがあることに気付いた。
「嫌か」
「う、ううん。全然平気。
お姉ちゃんもお兄ちゃんも愛煙家だから、慣れてる」
「あっそ」
……むしろ好き。
そしてその理由は貴方。
家族に対しては煙いなぁって正直思ってたけど
大学時代から吸ってる陽向に対しては、もう一本!って懇願しちゃってた。
その仕草をうっとりと眺めていたんだから、恋のパワーは偉大だ。
「……先週、飲みの後。
彰のマンションに泊まったんだって?」
そう切り出して、胸のポケットから彼が取り出したのは
大学時代に愛用していたものとは別の銘柄。
……って、我ながらよく覚えているなって感心する。