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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
怪訝な顔をした陽向を無視して、私は乱暴に足を組んだ。
「私みたいに終わってる奴が、地元に引き籠ってたら益々ダメになるでしょ。
その予防だよ」
「………」
「この辺で “ 正しく ” 働いている人達には、到底理解出来ないだろうけどさ。
せめて同じ空気くらい吸って生きたっていいじゃん」
「お前…」
「いいの、分かってるから」
分かってる。
矛盾してる。
オフィス街にわざわざ身を投じて凹んでるんだから、ドMを超えてバカなんだよ。
カフェに来る煌びやかなエリートや華やかなOL達を見ていると、自分がいかに半端な人間かを思い知らされる。
別に企業や大手に勤めたいとかじゃないんだ。
ただ、なんていうか…… 今の私はこの街に認められた存在では無い気がしてしまう。
こうなりたいな、羨ましいなって思うと同時に
どう考えてもそんな自分が想像できないから……結局無理なんだろうな。
……どこで間違えたんだろ。
「……いいなぁ」
みんな、いいなぁ……