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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
「お前なぁ…」
深い溜息が聞こえたから、説教でも始まるのかな。
そう思って右側をチラ見すると
「……!」
予想に反して、陽向は柔らかい表情で
呆れた感じを出しながらも、少し笑みを浮かべていた。
「色々あってそこまでヤサグレてんだろうけど。
まだ若いんだから、人生捨てんなよ」
「……っ」
「働き方に正しいも間違いもねぇよ?」
端正な横顔を、オレンジ色の明かりが淡く照らして
……綺麗で目が離せない。
口調は悪いけど
私、やっぱりこの人の声が好きだ。
駅のすぐ近くで、周りはこんなにも人や騒音で溢れているのに
誰に言われるよりも心の奥まで届く気がする。
「……軽蔑、しないの?」
揺れる煙を見つめながら、小さく聞いてみる。
「なにが」
「私が今フリーターってこと」
「別に」
「ふーん…」
「つーか軽蔑する意味が不明。
そんな偉い立場でもなんでもねぇし」