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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
私だって、別に定職に就いていない人を悪く言ってるわけじゃない。
他人や雇用形態に口出す程、出来た人間じゃないし。
……100%、自分の話。
「25歳にもなる娘が、ダラダラ実家に居座ってるのに
お父さんもお母さんも何も言わないの」
「………」
「……お兄ちゃんも」
家の手伝いしろとか、早く起きろとかはしょっちゅうだけど
事務所を辞めた後、就活に関しては一切口出ししてこない。
もう、諦められてるんだろうな…
「諦めてるんじゃなくて。
言う必要がねぇから、口出ししないんだろ」
~~心の声が聞こえたのか!?
陽向がしれっと返事したから、びっくりして二度見してしまった。
「なんで!? うるさいなって言い返されるから!?」
「……それもあるけど。
胡桃は自分で立ち上がるって、皆分かってるから」
「………!!」
「今どんなに捻くれていても、ヤサグレていても
その時が来るって知ってりゃ誰だって放置するさ」
「………っ」
「家族なら尚更、な」