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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
……てゆーか
どんだけよ、私。
7年ぶりに再会した元カレに愚痴るって、本気でありえない。
これだけネガティブ発言を繰り返していたら
ここまで付き合ってくれた陽向だって、流石にお手上げ状態だろう。
「ごめん、忘れて」
高校時代、彼女にしてくれた2年間。
あの頃と同じで、変わらないなぁって感じてもらえるくらい
生き生きとした姿を見てほしかったな。
「そろそろ帰…」
「胡桃」
花壇の淵から立ち上がろうとした私を、陽向が呼び止めた。
煙草を灰皿に投げ捨てて、その手を自分の手首に移すと
カチャリと渇いた金属音が聞こえた。
「貸してやるよ」
「……へっ?」
「ほら」
「~~わわっ」
聞き返した瞬間に、陽向が軽く何かを投げてきたから
慌てて両手を伸ばしてキャッチする。
「………!」
……腕時計……!