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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
組んだ足に肘を置いて、片手に顎を乗せると
陽向が私の手の中を見つめた。
「お前も知ってる通り。
古ければ古いほど希少で魅力的で、高価になるんだ」
「………!」
「けどな、需要や金銭的な視点だけで判断するんじゃなくて
大切なのは、 “ 自分にとっての価値観は何か ” ってこと」
……夜風が吹き抜けて、アッシュブラウンの髪が揺れる。
相変わらず胸のドキドキは続いているけど
彼の一言一言が、じんわりと心に広がっていく感覚。
「モノに例えんなよって思ってんだろ」
無言のまま動かない私を見て、陽向がふっと笑った。
「要するに、なにも全部が全部新しいものがいいって訳じゃない」
「………」
「他人と合わせて同じレールの上を歩く必要はねぇよ。
結局疲れて自滅するだけだ」