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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
スルリとすり抜けた陽向が、スタスタと横断歩道を渡り始める。
ってちょっと待ちなさいよ!
「どこ行くのよ!」
「帰るに決まってんだろ。
こっち地下鉄。お前JRだろーが…」
「逃げるなんて卑怯だ!」
「~~うるせぇな!
10分前の会話は何だったんだよ!」
「え?」
「俺の有難い話、全っ然理解してねぇだろ!」
大きな声で言い合う私達を、周りの人達がチラチラ見るから
陽向は溜息を漏らして足を止めた。
「……お言葉ですがお嬢様。
今は恋愛してる場合じゃ無いんじゃありませんか?」
言葉に反してその視線が冷たい。
「現状に満足してねぇなら、恋人の前に自分を探すのが先だと思いますが」
「あのね、陽向が傍にいてくれたら満足出来る気がする」
「何様な発言してんだバカヤロウ。
つーかもっと視野広げろ、地球上に何人男がいると思ってんだよ」
「だって、本気で…」
「だいたいお前。
飲み会の時、広告代理店の男がいいって言ってなかったか?」
「………!」