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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
……それは
言った。
確かに言った。
今思えば完全に陽向の気を引きたくて、だけど。
でも
はたから見れば、この人の言う通り私の言動はおかしいし
こんな私をもう一度好きになってくれというのは、無謀なのかもしれない。
「……落ち着いたなら、回れ右だハチ公」
「………」
「何度も言うけど、お前はJR」
地下鉄の改札の手前で、陽向が低い声で促してくる。
……仕方ない。
ここは一旦引き返すしかない。
「……だったらせめて
来週の月曜から、お店に来て」
一歩下がって、真っ直ぐ彼を見つめる。
「陽向の会社の人も、モーニングしに来るんだよ。
コーヒーだけテイクアウトする人もいるよ」
「………!」
「朝が無理なら、たまにお昼とかでもいいから。
陽向の顔見たいもん」
「………」
「それくらいなら、いいでしょ?」