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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
別れてから7年経ってる。
アッサリと去っていったことが悲しくて堪らなかった私は
意地を張り、一切の情報の受け入れをシャットアウトしてきた。
だから
陽向が今まで海外でどう過ごしてきて
今どんな状況でどんな心境なのかは、全くもって分からない。
……この態度からしても
私に対する未練みたいな想いは、微塵も感じない。
だけど
“ お前、やっぱり可愛い ”
“ さらに美人になったな ”
……飲み会の時といい、さっきの魔法の言葉といい
こうして時計を貸してくれたりするものそうだし
自ら惚れる要素を作っていることに気付いていないんだろうか。
「分かったよ」
Tシャツの裾をぎゅっと掴んだ手と、踏ん張った両足。
私の小さな震えに気付いた陽向が、そう言って溜息を漏らした。