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ハツコイ♥アゲイン
第7章 惚れない理由が無い
知り合いや友達だとしても、お客様であることには変わりないから
接客はちゃんと敬語でしなきゃいけないって分かってるけど
「はい陽向、お待たせ…」
「立花さん」
お金をもらってテイクアウトカップを差し出したタイミングで
パントリーから出てきた店長が私を呼んだ。
や、やば。
やっぱり慣れ慣れしく話し過ぎたかな。
「今から僕がレジに入るから、 “ ラウンド ” と交代してくれる?」
「………!」
「そのまま行っていいよ」
笑顔というよりはニヤニヤといった表現が正しいかも。
ちょっとしたドヤ顔を浮かべた店長は、私に近付くと
陽向から見えないカウンターの下で、親指をグッと上に向けてきた。
「か、しこまりました」
店長、ありがとう。
ナイスすぎる。
澄ました声でそう答えながら、私も同じグッジョブポーズを隠れて披露した。