この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ハツコイ♥アゲイン
第7章 惚れない理由が無い
ラウンド担当というのは、店内やテラス席のお客様に商品を提供したり
テーブルやイスの片付け・掃除をする、主に外側で案内する役目。
店長がこのタイミングで交代を告げてくれたから
テイクアウトの陽向が店の外に出るまで、お見送りが出来る。
ほんの少しだけど、会話のロスタイムが与えられたってことだ。
「てゆーか、今もう8時50分だよ?
走って行かなきゃじゃない?」
始業時間が9時のサラリーマン達が、続々とそれぞれの戦地へと出て行く中
私と並んで入口に向かうこの人に、焦りや慌ただしさは感じられない。
「日本支社は、毎週金曜flexなんだとよ」
「アレックスって? 誰?」
「……フレックス。
ちゃんと言えばフレキシブルタイム。
始業と終業時間を自由に決められるから、いつ出てもいいってこと」
「ふーん、大変だね」
「・・・お前、理解してねぇだろ」