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ハツコイ♥アゲイン
第7章 惚れない理由が無い
「商品を万引きした罪、窃盗罪」
「………!」
「全くもって非のねぇ人間に暴力を振るった罪、傷害罪」
……私はまだ、地べたに座ったままで
目の前にしゃがんだ男の体勢もそのままだから
青ざめたそいつの視線を追うと、必然と私の顔は真後ろへ向いていく。
─── 震え上がる程低い、ドスを効かせた声の主は……
「そして何よりも
平穏な俺の朝を著しく汚した罪、迷惑防止条例違反」
「………!!」
「……ちょっと顔貸せ」
仁王立ちしたその体の後ろに、黒い鬼火が見える。
袖を捲った右手で、首元のネクタイを緩めて
高級時計が光る左手の甲を上げると、彼は泥棒に向けて指を2、3回動かした。
「………っ」
陽向……!!