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ハツコイ♥アゲイン
第7章 惚れない理由が無い
「な、だ、誰だお前…」
「さっさと立てよ」
「〜〜わ、わわっ」
呆然としている私の横を、陽向はスッと通り過ぎると
あたふたしている泥棒の首根っこを、Tシャツの上からガシッと掴んだ。
「誰だ、だと?
なんで俺がてめぇみたいなバカに名乗らなきゃいけねぇんだよ。ふざけんな」
「ちょ、待…」
「ジタバタするなっつーの。
このまま締めるから、息止めて歯食いしばってくれるー?」
「………!!」
「逸らすな。俺の目を見ろ」
陽向の言葉攻めと共に、ずるずると地面から持ち上げられた泥棒は
漁船に釣られた鮪のように、直立不動で固まった。
……お、驚きすぎて声が出ない……
「お前ヤバイよ。大丈夫?」
掴んだ右手と反対側。
拳を作った陽向の左手が、相手のミゾオチにグッと押しつけられる。
その脅しよりも何よりも……鋭く睨む眼力が凄過ぎる。
大丈夫とか聞いてるその口角がちょっと上がったけど
全然笑ってないしマジで怖い!