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ハツコイ♥アゲイン
第7章 惚れない理由が無い
……展開が早くて、理解が追いつかないけど要するに
カフェのフードをあの金髪男が盗んで
逃げた男を捕まえようと、私がその後を追っかけて
この細い路地で追い付いて、突き飛ばされて叩かれて
遅れて店長が警察と一緒に来てくれて、御用となった……
「………っ」
……その、前に……
「陽、向…
……わっ!?」
名前を口にしたと同時に
陽向がグイッと私の右腕を引っ張った。
急に強い力で持ち上げられたから、少しよろけながら立ち上がる。
「痛たた…」
「自覚しろよボケ!」
「………!」
「てめぇ女だろ!」
頭の上から怒号が飛んできて、びっくりして顔を上げると
さっきと同じ鋭い視線で陽向が私を見下ろしていた。
「………っ」
……ううん、さっきとはちょっと違う。
泥棒に対しては、冷静で淡々としていたけど
私の腕をぎゅうっと強く握り締めるくらい、陽向から怒りが溢れてる。