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第7章 惚れない理由が無い

少し遠くを見つめる陽向が、いつもと違う表情になったのが気になったけど


「何度も言うけど１ヶ月半後には戻るから。
マジでそれまでだぜ？」


覗きこんだ私を避けるように、いつものポーカーフェイスに戻った。

……１ヶ月半、改めてそう言われると短い。
だけど背に腹は代えられない。


「分かってるよ」

「引き受けたからにはちゃんとやるから」

「………！」

「お前も真剣に演じろよな」


いや、演じる以前に私はもう好きなんですけど。
本当に分かってるのかな。

ま、いいや。
時間は与えられたわけだし、明日からじっくり…

って、そういえば時間……



「「９時半！！」」


キラリと光る腕時計を見た私と陽向が同時に叫ぶ。

ひえ～～どんだけここで時間潰してしまったんだろう。
店長に怒られる……

ってそうじゃないし！！