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ハツコイ♥アゲイン
第8章 溺れるほど、夢中
……我儘で頑固で、だけどどこか冷めている面倒な性格の私は
嬉しくても悲しくても、涙を流すなんてことは皆無に等しい。
だけど
私の右手を優しく包んで
隣りを歩く、彼の綺麗な横顔を見上げるだけで
こんなにも胸がいっぱいで
ちょっと痛くて、苦しくて
鼻の奥がツーンとして、目頭が熱くなってしまう
……どうしてかな、なんて
自問自答するまでもなく
私は、どうしようもなく月岡陽向に恋をしている。
「……誘導上手なのは、そっちだよ」
「あ?」
ボソッと小さく呟いた言葉に、すぐに陽向が反応する。
「なに?」
「なんでもない」
「なんだよ、売るなら買ってやるぜ」
「べ、別に何も売ってないし!
ただの独り言!」
「変わってねぇな~。
“ すぐ戦闘態勢に入る大人げない性格 ” 」
「~~それは陽向でしょ!」