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ハツコイ♥アゲイン
第8章 溺れるほど、夢中
「……ありがとう」
飲みに行く前だけど、喉が渇いていたから嬉しい。
ほんのりと柑橘系のフレーバーがするグラスを受け取る。
「マンスリーって言ってたけど、超高級マンションじゃん。
下の階はみんな分譲でしょう?」
「普通は幹部クラスの奴らが使うんだけどな。
たまたまタイミングが良い時だったらしい」
「凄いね、本当に…」
「広過ぎて意味がねぇよ、マジで」
私の右隣りに並んで、ミネラルウォーターを一口含んだ陽向が
溜息を漏らして、そのまま床の上に座った。
「寝る為に階段を使うって時点で面倒」
「………」
「実際、昨日ソファで落ちたらそのまま朝だった」
……やっぱり、そうだ。
入った瞬間に思ったもの。
陽向が言った通り広すぎるんだ。
天井が高過ぎて、空間が広過ぎて……落ち着かないというか……
自分がすっごく小さくなったように感じてしまう。