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ハツコイ♥アゲイン
第8章 溺れるほど、夢中
「ねぇ、陽向」
グラスを両手で包み込んで
胡坐でフローリングに座る陽向の隣りに、私もゆっくりと腰を下ろす。
「……寂しく、ない?」
「………!」
「ここもそうだけど
遠い場所……海の向こうで、1人で……」
毎日晩酌をする上機嫌なお父さんに、ガミガミ怒りながらも付き合うお母さん。
お嫁に行ったのに、なんだかんだで毎週遊びに帰ってくるお姉ちゃん。
滅多に顔を見せないけど、ふとした時に電話やメールをくれるお兄ちゃん。
……両親なんて、一緒に暮らしてるから毎日会っているのに
急に、私の脳裏にみんなの顔が浮かんでくる。
「あ、1人ってそのままの意味じゃなくて。
もちろん、会社の人やお友達がいるよね」
「………」
「なんていうか……ほら、私は今実家でしょ。
なんだかんだで常に家族が近くにいるから。
1人暮らしの経験も無いし……」