この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ハツコイ♥アゲイン
第8章 溺れるほど、夢中
お兄ちゃん以外はみんな、昔からうるさいくらいよく喋る。
戸建てが多い住宅街だから、近所の人もよく集まったりして
小さい頃から、常に賑やかな日常を過ごしてきた。
この空間が余計に静かに感じてしまうのは、そのせいかもしれない。
「………」
夜景を見つめる自分の内面が
この静寂によって穏やかになる気がする。
心が研ぎ澄まされると
素直な気持ちが自然と溢れてきて……優しく包まれる感覚になる。
「……要するに
何が言いたいかというとね」
期間限定で恋人になれた、2年間も
離れていた空白の7年間も
── 私は、今までもこれからも
貴方のことを想い、願ってしまう。
「陽向には、寂しさを感じないでいてほしい」
「………!」
「どこに居ても、なにをしていても
陽向が毎日、幸せだといいなって……思うの」