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ハツコイ♥アゲイン
第8章 溺れるほど、夢中
── 付き合い始めた時の記憶を
陽向が思い出してくれて、笑ってくれている。
尽きることのない沢山のストーリーを、一緒に語り合いたいのに
「……? 胡桃?」
何も言わない私に気付いて、陽向がこっちを向いたけど
見られたくなくて、同じタイミングでパッと反対側に顔を背けた。
「どうした?」
「……っ ど、うもしない」
「声震えてっけど」
「………っ」
「……なんだよ」
覗きこまれるから、さらに左に捻って体を遠ざけようとしたけど
胸がいっぱいで、込み上げてきて、逆に動けなくなってしまう。
「……あのな。俺別に孤独じゃねぇよ?」
どこで何の地雷を踏んだのか分からんって顔をして
咳払いをしてから、陽向が再び口を開いた。
「ふつーに親生きてるし。仲悪くもねぇし。
んな神妙な面持ちで同情してもらわなくても…」
「違うの、そうじゃなくて」
「………!」
「……嬉しくて」