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ハツコイ♥アゲイン
第8章 溺れるほど、夢中
「緊張解けたか?」
笑みを浮かべながら、陽向が私の下唇を舐めた。
“ 何度も言うけど1ヶ月半後には戻るから。
マジでそれまでだぜ? ”
……勘違いしちゃ駄目。
これは恋人ごっこ
割り切った関係で、おままごと
……分かってるのに
頭では理解していても、心がついていかない。
溶けてしまったんじゃないかと錯覚する程に
信じられないくらい火照っている。
「……役者になれるよ、陽向」
力が入らない体。
精一杯平静を装う。
「期間限定の演技だって、忘れてしまうくらい…」
「意味不明」
「………!」
「何言ってんのお前」
左腕が腰に回って、引き寄せられて
私の体は後ろ向きのまま、胡座をかく陽向の足の上に乗せられた。
「………っ」
正面の窓ガラスに
腕の中にすっぽりと包まれた私と
同じ方向を見つめる陽向の……お互いの姿が映る。