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ハツコイ♥アゲイン
第9章 もうひとつの再会
幹線道路の上に交差した、ちょうど陸橋に差しかかった所。
ビルの照明と、左右に街灯があるから真っ暗なわけじゃないけど
通り過ぎる人の顔までは、近付かないと分からない。
だけど
恐る恐る隣りに近付いて、陽向の視線を追うと
その瞳は、数メートル先を真っ直ぐ捉えている。
暗くて分からない。
……誰?
「………!」
後ろから、強い風がふわっと舞った瞬間に
躊躇した体を押されたように、陽向が足を一歩前に出した。
この時
躊躇してるって、なぜ咄嗟に感じたのか説明出来ないけど
間違いなく気付いたのは
── 彼の “ 心 ” が追いかけているのは、私ではなく
橋の上からヘッドライトを虚ろに眺めている、1人の女性だということ ──
「── 彩(あや)……」