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ハツコイ♥アゲイン
第10章 5年前の恋心
“ 用事があることを今更思い出しました
今夜は帰ります ”
テンパっていたとはいえ、下手な言い訳メールを陽向の携帯に送って
新宿の華やかな街中を、無意味にひたすら歩いて
実家に帰る方面とは逆の電車に飛び乗って
……気付いたら、お兄ちゃんと香さんのマンションの前に来ていた。
夜の8時。
ダメ元でインターホンを押した、全身汗だくな私を
2人は驚いた表情で見たけど……理由も聞かずに招いてくれた。
「ビールでいい? 飲めるだろ?」
「……うん。
お兄ちゃん、金曜日でも真っ直ぐ帰るようになったんだね」
きっと香さんとゆっくり自宅で過ごす為に、早く帰ってきたんだろうな。
「ほんと、ごめんなさ…」
「なんとなく、胡桃が来る気がしてた」
「……!? え!? な、なんで…」
「っていうのは冗談だけど。
でも、ある意味予感はしてた」