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ハツコイ♥アゲイン
第10章 5年前の恋心
「妄想劇場型だな~」
「………!」
「胡桃は男っぽいって、ずっと思ってたけど。
陽向が言った通りだ」
またしても、重い空気を取っ払うかのように
いつもの雰囲気に戻したお兄ちゃんが、やれやれといった具合でテーブルに肘をつく。
「お前は陽向を神かなんかだと思って崇めて、完璧な理想像を描いているのかもしれないけど
俺からしたら、矛盾だらけの人間だよ」
「………!」
「仕事第一主義なくせして、友達思いで遠慮して離れて
それなのに数年前の淡い恋心を思い出して、つい熱くなるんだぜ?」
「………」
「不器用で臆病な、どこにでもいる普通の男じゃん」
ふっと笑ったお兄ちゃんの表情が優しくて
さっきとは違うドキドキが、私の胸の内で響いている。
“ 女は好きだぜ?
ただ、あくまでも娯楽の一部 ”
“ 恋愛とか恋人とか、興味無いわけじゃねぇけど。
それを基準にして生きてないんだよ ”
陽向……
あなたの心は
本当の気持ちは
……もしかしたら……