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ハツコイ♥アゲイン
第11章 笑顔でいてほしいから

「……この前、お前に
まずは自分を好きになれって言っただろ」


私から視線を外して、陽向が溜息を漏らす。


「あれは俺が、俺自身にずっと言い聞かせている言葉」


ドキン、と心臓が鳴って
私は陽向から目を逸らす事ができない。



「お前の大事な兄貴の、大事な親友」

「………!」

「その親友の大事な嫁に、見込みがねぇのに勝手に惚れて」

「………」

「そんでもって今
友人の妹である元カノとの、2度目の恋愛にも……期間限定を突き付けた」



── ベッドサイドのスタンドライトが、彼の横顔を淡く照らして
自嘲的に小さく笑う陽向が……首を振った。



「……なれねぇよ、一生」


「………っ」


「熱いのか冷めてんのかも分からねぇ。

いくつになっても納得させる答えが見出せない。

……結局、俺はこんなだ」




“ お前は陽向を神かなんかだと思って崇めて、完璧な理想像を描いているのかもしれないけど
俺からしたら、矛盾だらけの人間だよ ”



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