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ハツコイ♥アゲイン
第11章 笑顔でいてほしいから
取り出した1本の煙草が、またその手で箱に戻された。
……怒ってるとか、イラつくとかじゃなくて
呆れてるっていう表現の方が近いかもしれない。
「あのな、胡桃。
“ 自己 ” じゃない。完結してるんだよ」
「………!」
「言わない決断が正しい幕引きだってこと
同じ立場になれば、誰だってそうするに決まってる」
「………」
「……俺が決めたんだ。
伝えることが、全てじゃない」
静かにそう呟いた陽向が、窓の外を見つめた。
夜景の灯が横顔を照らして……とっても綺麗で。
そうだね、貴方の言う通りだねって
大人の女性なら間違いなくそう同意して、尊重する流れなんだろうけど
・・・だけど……!!
「陽向!」
「~~っっんだよお前マジで! いい加減に人の話を聞け…」
「聞いてるけど! でもね!」
突進した私の体
すらっと伸びた腕で制止されたけど
それでも止まらないんだよ、陽向……!